脳神経外科「魂」の歴史 北里大学脳神経外科主任教授 隈部俊宏先生「脳腫瘍市民公開講座」第6回
注意:今回の講演ビデオには、実際の手術映像も含まれているため、
苦手な方は、音声だけで聴いていただけますと幸いです。
こんにちは、相武台脳神経外科です。
チャンネルSの番外編市民公開講座としまして、
脳腫瘍に関して、(手術療法にポイントをおいて)
北里大学脳神経外科主任教授 隈部俊宏先生に
前回に引き続き、ご講演いただきます。
今回は、脳神経外科という
外科のなかでは歴史が浅い
分野の、様々な苦難の歴史を追います。
ここ、40年で技術レベルが
格段に向上していることを、体感として
ご理解いただけると思います。
是非、第6回よろしくお願いいたします。
以下 初回時の 脳腫瘍講座紹介の文章です。
一般の方々が、
脳神経外科と関わる場合、
多くは、頭部外傷や
脳血管障害といって脳梗塞や脳出血に
関する場合だと思います。
ただ、
脳神経外科医の立場からお話させて頂きますと、
一般の方からは、
縁が薄いであろう脳腫瘍の治療に関しましても、
脳神経外科医が取り組んで日夜進歩させようと
努力している非常に重要な分野なのです。
普段の生活では、あまり関わる事がないですし、
もちろん関わらない方がよいのではありますが、
万が一、患者さんが、脳腫瘍を患ってしまった場合、
どうにか満足のいく毎日を送っていただきたいと、
日々、陰ながら、文字通り命を削って、
血のにじむような努力を重ねているのが、
脳腫瘍に関わる脳神経外科医です。
病気が手術で治る、治らないとの、
二元論的な簡単な話ではなく、
(流行している人気のドラマのような
軽薄な世界ではなく、)
その現場には、
生命の神秘には、
遠く力が及ばないながら、
なんとか、
運命にあらがおうとする、
生身の人間である、
患者さんと脳神経外科医との、
とてつもない壮絶なドラマが、実は、
繰り広げられているのです。
もちろん、そのようなドラマは、
一般の方は、
ほとんど、話としても触れる事はないでしょう。
ただ、そのような、厳しい世界の上に、
我々、人類の安全領域が少しずつ、
歴史を重ねるにつれ、
広がってきている事も事実です。
少し、難しい言葉や、
生々しい手術映像などもありますが、
是非何かの折に、ご興味のある方は、
ご視聴頂き、単純に軽い気持ちで
このような世界もあるのかと
感じていただけましたら幸いです。
以上引用
前回までの映像
第1回目はこちら。
第2回目はこちら。
第3回目はこちら。
第4回目はこちら。
第5回目はこちら。
第6回脳腫瘍市民公開講座の内容
- 1970年代からの悪性脳腫瘍の治療成績は、どのように変化したか?
膠芽腫の5年生存率は、何%か? - 1941年「脳の手術をすれば死ぬか、馬鹿になる。」と言われていたが、
現実として本当だったのか? - 1974年行っていた脳腫瘍手術前の検査方法とは?
- 頭部CTが臨床導入されはじめたのは、何年ごろか?
(ヒント:ピンクレディーがサウスポーを歌って
隈部教授も学園祭で〇〇をされた年) - 隈部教授が憧れていた東北大学の初代教授とは?
- その、天才的な脳神経外科医が手術を行っていた時代から
前東北大学総長、前日本脳神経外科学会理事長の吉本高志先生は、
〇〇を追求され時代が少しずつ変化してきた。 - 1978年頃、悪性脳腫瘍に対する治療で始められ
有効性が認められた治療のオプションとは? - MRIが臨床で導入された年とは?
- 1991年手術に導入された革新的な技術とは?
- 同時期に「最大限の腫瘍摘出、最小限の機能障害」目的で
手術中に導入された技術とは? - その1995年はどのような出来事が日本でおこったか?
- 1996年隈部教授が日本ではじめて行った、
(患者さんが意識ある状態で行う)覚醒下神経膠腫摘出術を
可能にした麻酔技術とは?
治療範囲 | 保険点数 | 自己負担割合 3割 | 自己負担割合 1割 |
身体の深部にある臓器 | 9,000点 | 27,000円 | 9,000円 |
身体の表面に近い臓器 | 6,000点 | 18,000円 | 6,000円 |
ここ数十年で脳外科手術が進歩したということがわかりました。それは解剖しなくても、脳を画像で診れるようになった結果です。脳腫瘍だけでなく認知症についても最近随分新しい研究結果が出てきているように感じます。先生方の努力に感謝します。
しげとも様 ありがとうございます。おっしゃるように画像で見れるというのは大きいですね。
40年ほど前の脳手術では2人に1人は死亡していたと言う事実、
1970年代のピンクレディーの頃のCT画像の悪さにも驚かされました。
近年MRが開発されたり、使用できなかった麻酔薬が使用できるようになったり、
ピンポイントで小さな腫瘍を切除出来るニューロナビゲーションシステムの開発など、
多方面から脳腫瘍に関して携わった方々の努力の賜物に他ならないと思います。
特にニューロナビゲーションを日本人が開発したと知り、とても誇りに感じました。