径1mm以下の血管を安定して温存する最先端脳神経外科手術 北里大学脳神経外科主任教授隈部俊宏先生「脳腫瘍市民公開講座」第4回
注意:今回の講演ビデオには、実際の手術映像も含まれているため、
苦手な方は、音声だけで聴いていただけますと幸いです。
こんにちは、相武台脳神経外科です。
チャンネルSの番外編市民公開講座としまして、
脳腫瘍に関して、(手術療法にポイントをおいて)
北里大学脳神経外科主任教授 隈部俊宏先生に
前回に引き続き、ご講演いただきます。
今回は、いよいよ、
神経膠腫の手術に関しての内容になっていきます。
つい最近までは、この病気に関して、
手術治療はほぼ、
あきらめに近いような雰囲気が漂っていました。
しかし、患者さんを救いたいという、
隈部教授をはじめとする、脳神経外科医の
強い気持ちと、果敢な挑戦の結果、
今回のビデオ画像のような、1mm以下の血管を
温存する手術が可能となっています。
あまり、見慣れない世界だと思いますが、
是非、ご講演第4回目、
どうぞ、よろしくお願いいたします。
以下 初回時の 脳腫瘍講座紹介の文章です。
一般の方々が、
脳神経外科と関わる場合、
多くは、頭部外傷や
脳血管障害といって脳梗塞や脳出血に
関する場合だと思います。
ただ、
脳神経外科医の立場からお話させて頂きますと、
一般の方からは、
縁が薄いであろう脳腫瘍の治療に関しましても、
脳神経外科医が取り組んで日夜進歩させようと
努力している非常に重要な分野なのです。
普段の生活では、あまり関わる事がないですし、
もちろん関わらない方がよいのではありますが、
万が一、患者さんが、脳腫瘍を患ってしまった場合、
どうにか満足のいく毎日を送っていただきたいと、
日々、陰ながら、文字通り命を削って、
血のにじむような努力を重ねているのが、
脳腫瘍に関わる脳神経外科医です。
病気が手術で治る、治らないとの、
二元論的な簡単な話ではなく、
(流行している人気のドラマのような
軽薄な世界ではなく、)
その現場には、
生命の神秘には、
遠く力が及ばないながら、
なんとか、
運命にあらがおうとする、
生身の人間である、
患者さんと脳神経外科医との、
とてつもない壮絶なドラマが、実は、
繰り広げられているのです。
もちろん、そのようなドラマは、
一般の方は、
ほとんど、話としても触れる事はないでしょう。
ただ、そのような、厳しい世界の上に、
我々、人類の安全領域が少しずつ、
歴史を重ねるにつれ、
広がってきている事も事実です。
少し、難しい言葉や、
生々しい手術映像などもありますが、
是非何かの折に、ご興味のある方は、
ご視聴頂き、単純に軽い気持ちで
このような世界もあるのかと
感じていただけましたら幸いです。
以上引用
前回までの映像
第1回目はこちら。
第2回目はこちら。
第3回目はこちら。
第4回脳腫瘍市民公開講座の内容
- 脳幹部の機能とは?
- 脳幹部の悪性脳腫瘍は、ほとんどの場合手術が不可能である。その理由とは?
- 講義中の症例において放射線治療後の脳幹部腫瘍への手術戦略とは?
- 脳幹部の神経膠腫の一般的な生存期間とは?
- 脳神経外科の手術戦略に、影響を与えるeloquent areaとは?
- 手術によって完治の可能性が高い脳腫瘍の特徴とは?
- 術中に腫瘍と正常構造の境界を確認するために使用しているシステムとは?
- 画像の術中、直径0.8mmの血管を、どのような器具を使用し温存しているか?
- なぜ、直径0.8mmもの細い血管を温存したいか?
脳腫瘍を摘出するために、使用している超音波を利用している器具とは? - 一般的な神経膠腫の摘出戦略とは?
治療範囲 | 保険点数 | 自己負担割合 3割 | 自己負担割合 1割 |
身体の深部にある臓器 | 9,000点 | 27,000円 | 9,000円 |
身体の表面に近い臓器 | 6,000点 | 18,000円 | 6,000円 |
脳腫瘍の種類や場所によって予後が違う事がよく理解出来る内容でした。
あまり必要でない領域についてのお話の時、個人の職業によっては必要だという話は先生が日々患者様と真剣に向き合っている姿勢が伝わって来ました。
しげとも様 非常に真剣に見ていただきありがとうございます。隈部先生はものすごく患者さんと真剣に向き合われる方です。尊敬しております。