がん治療の盲点:「素人は戦略を語り、プロは兵站を語る。」
こんにちは、
あまり知られてはいないことかもしれませんが、
当院における高濃度ビタミンC点滴を行っている患者さん
(ほぼがん患者さん)の満足度は実は高いです。
高濃度ビタミンC点滴をはじめて2年弱ではありますが、
病状が厳しい患者さんであっても、
金銭的な壁を乗り越え、地理的な壁を乗り越え、
時間的な壁を乗り越え、当院へ通ってきていただけます。
その理由は、患者さんご本人の満足度だけでなく、
ご家族の満足度も高いためであると当院では考えております。
もし依存的な、麻薬的な、将来性のないその場しのぎの、
薬剤であれば、患者さんの満足は得ることができても、
ご家族の気持ちの深い部分からの満足は得ることはできないでしょう。
では、なぜ、患者さんご本人、患者さんのご家族に対して
深い満足度を与えることができているのでしょうか?
それは、がん細胞に対しての治療であると同時に、
患者さんの全身状態を良くする、つまり、
大きく言えば生命エネルギー全体を活性化する
治療となっているからだと当院では判断しております。
よく受ける疑問:高濃度ビタミンC点滴治療単独で、がん患者さんを寛解にまで至らしめることは可能なのか?
当院としての見解は、可能性はあるとは考えますが、現在のところほとんどのがんにおいてデータはないですし、実際現場で扱っていても、単独では、難しいと言わざるを得ません。
単独で強い抗癌作用を示さなければ、保険適応として認可がおりにくい現状ではありますし、さらに、一つの製薬会社が、莫大な費用を投じて臨床試験を行い、販売承認がえられても、昔からある薬剤ですので、販売特許の取得はできず、臨床試験の費用の回収が行えないという現状もあります。
だから、高濃度ビタミンC点滴治療に関しましては、行政の主導で臨床試験などを行わない限り健康保険医療におけるがん治療において、抗がん剤としての「適応」をとることは難しいのかもしれません。
ただ、高濃度ビタミンCは、抗癌作用の大規模臨床試験は少ないですが、下記のことは、分かっています。
Ⅰ全身状態をよくする。
これはどのような意味付けができるかというと、全身状態がよければ、
①多くの手術に耐えることができる、化学療法に耐えることができる、放射線治療に耐えることができる。
②加えてそれぞれの副作用を減弱させる。これにより、がん患者さんのQOL(生活の質)を劇的に向上させる。
そして、なによりも
Ⅱ高濃度ビタミンC点滴は、副作用が少ない。
昔からある薬剤であり、副作用が非常に少ないことが経験的にも分かっている。
これだけ、高濃度ビタミンCを使用することで好条件が揃っておきながら、なぜ保険医療の現場で使用されないのでしょうか?
それは、一人の人間のとしてのがん患者さんを、治療しようとしているのではなく、癌という病気と戦うことにしか、恥ずかしながら医療者の視線の先が、いっていないからであると考えます。
つまり、ターゲットが、がん細胞 だけに 無意識のうちになってしまっているのです。
「病を診ずして、病人を診よ」
この言葉は、僕が研修医時代に先輩に教えて頂いた言葉ですが、
現在の医療現場は、抗がん剤という側面からのみでお話すると病しか目に入らない状態となっています。
高濃度ビタミンC点滴が、がん細胞を完全に消滅させることができるかどうかは、分からないとしか言えません。しかし、これだけは言えます。
高濃度ビタミンC点滴が、保険診療の薬剤として認可されれば、がん治療の現場は劇的に改善されます。多くの副作用や、病気の「症状」に対しての患者さんの「苦しみ」を劇的に軽減することが可能です。
別の角度からお話させてください。
同様に命のかかった現場である、戦争の現場では、
昔から、強く言われる名言があります。
素人は戦略を語り、プロは兵站を語る。
現在、アメリカ合衆国などの軍事予算は、実際の戦闘の場に費やす予算より、その戦闘の場を支える、補給路などの「兵站」に対して予算を多くつぎ込んでいるとのお話もききます。
しかし、現実に医療現場では、病気との戦いの「治療」にほとんどの予算(医療費)がつぎ込まれ、そのための全身状態の維持に費やす費用などは、ほぼ患者さんの、自己負担のみで、がん治療という、長期戦が戦われている実情があります。
これが、
「金持ちなら、がんは克服できる。」と言われる所以でもありますし、
がんを克服していくロードマップにおいて、それを、とても稚拙なものにしてしまっている、ポイントではないかと私は考えております。
まさに、今医療現場では、「戦略」しか語られていません。
しかし、がん治療のなかで「兵站」を作り上げていくことは、全くゼロからのスタートというわけではありません。
その「兵站」を強力に推し進める、航空母艦のような絶対的な武器を私たちは持っています。それが、高濃度ビタミンC点滴療法と当院では、考えております。
兵站へいたん
logistics
治療範囲 | 保険点数 | 自己負担割合 3割 | 自己負担割合 1割 |
身体の深部にある臓器 | 9,000点 | 27,000円 | 9,000円 |
身体の表面に近い臓器 | 6,000点 | 18,000円 | 6,000円 |
最先端のがん治療ではやっとガンそのものを攻撃するのではなく、本来持っている免疫力を上げる事でガンを攻撃するという方向性になってきているように感じます。昔から冬の感染症の流行するころミカンを食べるといった風習はもっと医療が発達していなかった時代に経験として学んだ知恵で時代を経て進化したのが高濃度ビタミンC点滴...色々医療も試行錯誤しながら原点に戻りつつあるような気がします。
源流様 おっしゃるようにがん治療の方向性の変化がありますね。
がん細胞を叩きのめすのではなく、状態をよくすることができる。
抗がん剤ではないのかもしれませんが、病気ではなく病人を救ってくれるものなのでしょうか。
最近はだんだんと、がんに対するアプローチも変わって来たように思います。
医療現場は、病気でなく人本位であって欲しいと思いました。