水上治先生ご来院!
おはようございます。
3月にはいっても寒い日が続きますが、
少しずつ、春の足音が近づいているのを実感します。
春は不安定で、そわそわしますが、
その分可能性の宝庫です。
当院も様々な可能性にチャレンジしていきたいです。
私は、
約20年前に医学部に入ろうと、
東京市ヶ谷の駿台予備校で勉強していた時期があります。
その時に、今では、
統合医療の分野で重鎮でいらっしゃる
帯津良一先生のご講演がありました。
実は、
そのご講演の中の
一言が、今の私を、方向付けています。
それは、
「現在、西洋医学は行き詰まりを見せています。
あなた達がもし医者になるのであれば、
西洋医学と東洋医学を結びつけるような仕事をしてください。」
あれから、20年、
欧米では、確実に、
西洋医学では足らない部分を
統合医療、
補完医療、健康増進医学として分野が発展しつつあります。
しかし、日本では、、
ほとんど、20年前と変化していない状態です。
なぜ、変化(成長)できていないか?
私は、原因が2点あると考えます。
1つは、医療費が安く、病気になることへの危機意識が持ちにくい。
もう1つは、価値観、特に体との関係性の価値観を確立できていない。
私は、後者の部分は非常に大きいと考えます。
健康とはなにか?
病気とはなにか?
あまり冷静に捉える風潮にはなく、
全てお医者様にお任せ状態となっています。
それでいて、
お医者様が、一般的なお医者様と違うことを言うと、
奇人変人のように扱ってしまう。
厚生労働省が定めた医療が善で他は悪。
そのような極端な風潮が蔓延していることは否めません。
実際は、医療はどの医療も、
「善悪」ではないのです。
医療そのものは、価値観ではありません。
医療は、「手段」です。
その手段を利用するためには、
ぶれない価値観が、
医師側も、患者さん側も必要なのです。
その価値観とは、体との関係性の価値観であります。
つまり、
健康とはなにか?
死とはなにか?
幸せとはなにか?
病気とはなにか?
その、きちんとした価値観、哲学が背景にあって、
健康を獲得したい、
病気を克服したい、
病気に感謝したい、
死ぬことを受け入れたい、
まだ死にたくない
などという「目的」が生まれ
必要であれば、
それぞれに対しての「手段」としての
「医療」が生まれるのです。
先日、
経営コンサルタントの遠藤晃さんにお会いした時に、
興味深いお話をいただきました。
それは、
「目的が、
人とコミュニケーション取りたいということで同じでも、
民主主義者(価値観)は、電話(手段)を発明し
共産主義者(価値観)は、拡声器(手段)を発明した。」
という、
価値観、目的、手段、の具体的な関係性のお話でした。
結局、
哲学(価値観)が、例えば、光、
目的が物体、であれば、
手段は、影でしかない。
いま、日本の医療に関して、
医療費の問題、医師不足の問題、倫理の問題、延命の問題、
医療ミスの問題、脳死の問題、
など、多くの問題が話題となっておりますが、
手段である、「影」に、
エネルギーをいくら費やしても
無駄骨でしょう。
影は、消そうとしても消えません。
私たち一人一人、
そして日本人全体の、
価値観を見直す、見つめなおす、
ことが必要ではないでしょうか?
その1つの提案ができれば、
と当院で日々全力で診療させていただいております。
昨日は、
その、日本でほとんど芽生えてこない、
健康増進医学の分野、補完医療の分野で
パイオニア的存在として、
いわば孤軍奮闘しておられる
水上治先生を、当院へお招きして
チャンネルS番外編市民公開講座の収録を行いました。
お会いして、改めて実感しましたが、
清々しく器の本当に大きな方でした。
水上先生は、
確固たる西洋医学の知識の上に、
補完医療の引き出しをたくさん持っておられる。
全ての行動が、患者さんのために、
ということから全くぶれない先生という印象を受けました。
世界的な非常に偉い先生なのに、
緊張していた私に話しやすいような空気にしていただきました。
絶えず、上から目線ではなく、
患者さん目線でいる。とはこのようなことかと、
陰ながら感動してしまいました。
今のところ、4月以降のチャンネルS番外編で公開予定です。
是非、お楽しみにされてください!
治療範囲 | 保険点数 | 自己負担割合 3割 | 自己負担割合 1割 |
身体の深部にある臓器 | 9,000点 | 27,000円 | 9,000円 |
身体の表面に近い臓器 | 6,000点 | 18,000円 | 6,000円 |
同意、亡き兄を思い出した。彼は患者さんに堂々と「俺は助っ人、補助者。自分で治すんだ、気が向いた時遊びに来ればいい」私はバイトの事務長席でハラハラして聞いていた。懐かしい一コマだ、涙腺が緩む。只今真実に触れた思い、偉人に見えてきた。精神科、台宏(元東大学長)の弟子であった。
清宮さん コメントありがとうございます。お兄様は大変すごい方だったのですね。是非一度お会いしたかったです。
西洋医学と東洋医学について、
ちょうど先日学校の健康増進論という授業で、東洋医学分野のツボやマッサージの講義を受けました。
看護の領域でも、西洋医学ばかりでなく、東洋医学の魅力に触れることができて、とても興味が湧きました。
加藤先生の『医療は手段』というお言葉は、医療者側にも患者様側にも非常に重要なキーワードとなる言葉だと思いました。
私は、健康を考える上で、幸せとは何か?が、大きな鍵を握っていると考えます。
価値観は様々ですが、患者様がどうなることが幸せかを、考えていけたらなと思います。
ひよこナースさん ありがとうございます。すごく大きなところですね。一緒に考えていけましたら幸いです。
健康とは何か、病気とは何か、冷静にとらえることが私になく医師に任せていました。今の日本は本当に厚生労働省の定めたことが正しいとなっています。それを基準として判断していることが本当にたくさんあると思います。医療の現場にいて、そう感じることが多々あります。先生のブログを読んで本当に実感しました。
医療は手段で、目的に応じて医療をしていくようになる、この言葉とてもわかりやすいです。
このように考えられるとにほんの医療も変わってくるのだと感じました。見つめ直していくということを私もしていき、周りの人たちにもわかってもらえるように日々関わりたいです。
ビオレ様 ありがとうございます。仰るとおり意外に気が付かれていないポイントですね。情報が多くて、迷子になりそうですが身体と向き合う、ポリシーがしっかりしていて医療は手段という、ことを忘れなければ、道は大きく外れないと思います。
本当にその通りだと思います。
身体に不調を覚えて初めて、病気を治したいと医者に駆け込む。
普段は暴飲暴食や健康についてわずかばかりな気遣いをしながら
身体がどんなサインを出しているかを『気のせい、気合が足りない』と
昔ながらの我慢を美徳とする日本人気質で隠してしまうんだと思います。
みんみ様 ありがとうございます。症状は 火災報知機と同じであると私達医療従事者が広くお伝えする必要があります。これから頑張ります。
以前はなかった漢方薬を飲みやすくするゼリーのCMを見かけるようになり、漢方薬を内服する人が増え、東洋医学が浸透し始めたのを感じます。ただ、症状を無理矢理消す、押さえる西洋医学だけではやはり限界があり、根本的に治す、改善する事の大切さに気が付き始めたのだと思います。そのもっと先の自分で健康を獲得するという流れが拡がって行く事を願います。
しげとも様 ありがとうございます。自分で健康を獲得する。ことを広めていきたいです。
病気になったと思い、病院に行く人が増えている中で、なぜ病気になったのかを考えてる人は少ないのだと、思いました。自分の身体と見つめ合うことは、大切だと感じました。
日本医療の変化(成長)できていない原因の二つめがとても印象に残りました。
1医療費が安く、病気になることへの危機意識が持ちにくい。
2価値観、特に体との関係性の価値観を確立できていない。
今まで 自分の体の価値観について 考えたことがなかったので このブログの言葉を忘れずにこれから 健康を獲得していきたいと思いました。
具合が悪くなったときには、気軽に病院にかかり診てもらえるため、日頃からあえて、健康とは?病気とはなにか?考えることがあまりないように思います。今までこうしていたから病気になった、だからこれからこのように改善したらよいのではないか?健診でこんな結果だったのは、生活の中に問題があるのではないか、まずは食生活を変えてみよう!
などと、少しでも考えることができたなら、病院に行く回数も減ると思います。病院に行き薬をもらって終わるのではなく、病気になったり具合が悪くなったときこそ、自分の体のことをじっくり考えるチャンスと思い、向き合っていけたらと思います。