ハイパーサーミアについて

ハイパーサーミアとは

ハイパーサーミアとは「温熱療法」のことを指します。複数回使用しても体への負担は少なく、効率的な治療を行うことができます。痛みの緩和、食欲増進、体力の回復、よく眠れるなどの効果を期待できます。 ハイパーサーミア治療には40分〜1時間ほどかかり、汗を多くかきますので治療の前後で水分補給を心掛けましょう。治療中は音楽を聴いたり、リラックスした状態で治療を受けられるのも特徴です。

ハイパーサーミア

ハイパーサーミアの特徴

5つの特徴

  • 人間の細胞は42.5度以上に温度が上がると死滅します。表在性腫瘍に対しては、この熱の効果で腫瘍を死滅させることができます。
  • 深在性腫瘍に対しては、38-41℃程度の温度上昇により、化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療の増感効果を得ることができます。
  • 1990年より保険適用されており、日本ハイパーサーミア学会から推奨されています。
  • ハイパーサーミアにより、アブスコパル効果や免疫力が高まる効果が報告されています。

対象となる疾患

浅在性悪性腫瘍 頭頚部癌・乳癌・悪性黒色腫・肛門管癌・骨転移・軟部肉腫など
深在性悪性腫瘍 食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膵癌、胆管癌、肝癌、腎癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、卵巣癌など
※脳・眼球・血液疾患は対象外になります。

ご利用になれない方

  • ペースメーカー、埋め込み型除細動器、人工内耳等を装着または埋め込んでいる方
  • 加温域内に金属片(胆管ステントや消化管ステントや血管ステント等)を留置している方又は金属粉を含む刺青等をしている方
  • 導電性のある金属を含む貼付材(痛み止めの麻薬貼付剤;フェントスタープ・モルヒネテープ等)を使用したままの方
  • 豊胸材(シリコン)等が埋め込まれている部分への加温は出来ません。
  • 意思疎通が困難な方や施行により危険を生じる様な合併症を有する方
  • 妊娠中の方や出産直後の方
  • 小児(乳幼児)
よくあるご質問

Q.ハイパーサーミアとはなんですか?

ハイパーサーミア “hyperthermia”とは温熱療法のことです。狭い意味では癌に対する温熱療法をさしています。通常は40~45℃程度の温度を使った治療を意味していますが、広義的には最近開発されたラジオ波(RF波)やマイクロ波を使ったより高い温度(70℃~)での治療も含まれています。癌治療以外でも前立腺肥大症のような良性疾患の一部でも有効です。

また、近年の研究ではハイパーサーミアにより免疫力がアップしたり、運動能力がアップしたりすることがわかっています。

Q.ハイパーサーミアはどんながんにも効果があるのでしょうか?

理論上はあらゆる癌に有効ですが、実際には温めやすいもの・温めにくいもの様々です。また、施行病院によって様々ながんに対する治療の得手・不得手もあります。

これらのことを踏まえて上で、無作為試験で有効性を示されている疾患として、再発乳癌・メラノーマ(悪性黒色腫)・子宮頸癌・直腸癌・膀胱癌・頸部リンパ節転移などがあげられます。これら以外でも脳腫瘍・肺癌・食道癌・肝臓癌・膵臓癌など殆どの癌で、有効であった患者さんが多数報告されています。(白血病・リンパ腫など血液のがんはあまり報告がされていません)

Q.ハイパーサーミアを行うことで手術を行わなくても良いのですか?

今のところ、がんに対して“必ず十分な加温ができる”装置は開発されておらず、ハイパーサーミアだけでがんが根治できるのは稀と考えられています。一般的には放射線治療や抗癌剤治療と組み合わせるのが一般的です。
十分な加温ができる装置を開発するべく、本学会には医師・技師をはじめとする医療関係者だけでなく、工学の専門家や機器メーカーも入会され、よりよい癌治療ができるよう努力しています。

Q.ハイパーサーミアは転移がんや再発がんにも効果があるのでしょうか?

有効性が示されている再発乳癌や頸部リンパ節転移以外の転移がんや再発がんでも、効果的なことが多々あります。また、現状としてハイパーサーミアを受けられているおおくの方々が転移がんや再発がんとなっています。

保険適応はありますか?費用はどのくらいかかりますか?

現在保険適応のあるハイパーサーミアはラジオ波あるいはマイクロ波をつかった局所・領域加温のみとなっております。保険点数は一連(8週間、約8回分)で深部加温では9000点(9万円✕3割あるいはⅠ割 が自己負担)、浅部加温では6000点(6万円✕3割あるいはⅠ割 が自己負担)となっております。

  • 1パッチ材 イクセロンパッチ、リバスタッチなど

  • 2(病状が高度に進行した場合) アリセプト10mg

  • 3さらに メマリー追加

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