アルツハイマー型認知症に関しての日本のある研究では、70歳以上の30%、80歳以上の50%がアルツハイマー型認知症と診断できるという統計もあります。それ以外の方も、脳卒中などで認知機能の低下が見られている方が多いです。
認知症は病気として、忌み嫌う物ではなく、人間としての一つの通常の過程かもしれません。その中で、医学ができることも本当に限られています。もしかしましたら砂浜に、砂で堤防をつくるようなものかもしれません。
私の個人的な見解としましてはここで重要なことは、『病気を克服する。』ということではなく、『どのようにすれば一日一日満足して機嫌良く過ごせるのか?』『一瞬一瞬を大切に生きることができるのか?』へ目標をシフトすることではないかと思います。
そこで大切となってくることは、
現状の把握(適切な検査)←当院の重要な役割
患者さんを取り巻く環境作り←ご家族の役割 です。
ご家族だとなかなか直視するのは厳しいかとはおもいますが、人間として通常の「流れ」は必然です。
それをしっかりみて早め早めに対応し様々な人、公的機関などに相談することが、1人のご高齢の方に介護の負担が集中してしまうなどといったことの予防となるかもしれません。
何より、大切なことは、「長期的に考える。」「できるだけ多くの人を巻き込む。」だと考えます。
決して被害者意識を持ってはいけません。どんなときも周りを信じて助けを求め続けることが解決の糸口になっていくと考えます。